「熱帯魚がいる」と情報が寄せられた街中の水路に行ってみると、そこで見つけたのは外来種のハッピーセットだった……。そんなとんでもない光景を収めた動画がYouTubeに投稿され、記事執筆時点で26万回以上再生されています。
動画を投稿したのは、YouTubeチャンネル「エマスちゃんねる/EMAS CHANNEL」(@emaschannel6853)を運営するエマスさん。以前は鮮魚店から“海のギャング”と呼ばれることもあるウツボを購入し、水槽に入れてみた様子が話題となりました。
今回はいるはずがない“ある熱帯魚”が水路にいる、という情報が寄せられたため、そちらに向かっていきます。
こちらの水路は温排水が流れ込んでいて、通年水温が高いそうです。そのためオイカワなどの在来種のほか、アメリカザリガニなどの外来種も多く定着し、生き物たちの楽園となっているのだとか。
「こんなところにいるんですかね?」と話しながら探していると、なにかの魚を発見。近付いてみると明らかに日本の魚ではない、鮮やかな体色の魚が泳いでいました。
早速網ですくってみると……網の中はアメリカザリガニとともに「アフリカンシクリッド」と呼ばれる熱帯魚が入っているという、外来種のハッピーセット状態になっていたのでした。
続いて鮮やかな黄色の魚を発見し、捕まえてみるとこちらもアフリカンシクリッドでした。エマスさんによると、アフリカンシクリッドは観賞魚としては割とポピュラーな存在なのだそうです。
その後も捕獲を続けると、1時間で片手にいっぱい乗るくらいのアフリカンシクリッドが獲れました。今回捕獲した魚は連れ帰ってペットにしますが、別の場所に数年前にアフリカンシクリッドがいることで有名になった水路があるため、帰り際にそちらも見てみることにしたようです。
早速場所を移動し、数年前にニュースで取り上げられて、かなり話題になったというポイントにやってきました。「まだシクリッドはいるのかな?」と探してみると、間もなく大量の魚を発見。カメラを水中に沈めてみると、明らかに在来種ではない魚が無数に泳いでいました。
こちらの水路は先ほどの水路より深く幅も広いため、魚を捕獲するのは難しそうです。早速網を使った捕獲を試みますが、なかなか上手くいきません。そこで本気を出して靴を脱ぎ、水路に入って挑戦を続けると……黒と青のしま模様が特徴的な、「ゼブラシクリッド系」のシクリッドを捕獲することに成功したのでした。
その後も頑張りましたが逃げ足が速いこと、両脇から挟み撃ちをすれば簡単に獲れそうだけれど1人ではらちが明かないことから、勇気の撤退をすることに。捕獲した魚たちを連れて帰宅し、水槽を立ち上げることにしたのでした。
ここでいったん、アフリカンシクリッドという魚についてエマスさんが説明してくれます。アフリカンシクリッドはその名前の通り、アフリカの湖や河川に生息する熱帯魚です。その体色は海の魚のようにカラフルですが、マラウイ湖やタンガニーカ湖などの淡水の湖に生息していて、特に魚種が多いマラウイ湖ではおおよそ800種類ものシクリッドが生息しているといわれているのだとか。
また実は「アフリカンシクリッド」はそれらの魚の総称であり、この日捕獲した黄色いシクリッドには「Labidochromis caeruleus(ラビドクロミス・カエルレウス)」、青いシクリッドには「Sciaenochromis fryeri(スキアエノクロミス・フライエリー)」といった正式名称があり、1種類ごとに名前が付けられているそうです。
そんなアフリカンシクリッドは交尾した後にメスが卵を口にくわえ、ふ化した赤ちゃんを1カ月ほど口の中で育てる、「マウスブリーダー」という習性を持っているのだとか。その間メスはエサも食べずに赤ちゃんのお世話をして、赤ちゃんは安全なサイズになると外の世界へ旅立っていくそうです。
それではなぜ、遠くアフリカの地からやってきた、アフリカンシクリッドが日本の水路にいるのでしょうか。その理由は恐らく、飼えなくなった誰かが放流してしまった可能性が高いのでしょう。アフリカンシクリッドは環境への適応能力が高く、繁殖能力も高いと言われていることから、爆発的に数を増やしてしまったようです。
アフリカンシクリッドについて説明した後は、捕獲してきた魚の水槽を作ることに。洞窟のような岩組と間から泡が出るところがポイントで、砂を掘る習性があるシクリッドのために、砂を厚めに敷いたそうです。ただ魚の数が多かったことから、後ほどもう1つ水槽を作ることにしました。
淡水魚の水槽というと、水草と流木を入れた水槽をイメージする人が多いことでしょう。しかしシクリッドについては、海水魚のようなレイアウトでも飼育できることが特徴なのだとか。
また丈夫でエサ食いがいいことも、シクリッドの特徴とのこと。多くの生き物は水槽に入った直後は警戒してエサを食べないものですが、シクリッドは驚くほどすんなりとエサを食べました。人に対する警戒心が全くないところを見ると、水路でエサをもらっていたのかもしれません。
そんな話をしつつ円柱の水槽に岩と流木を入れたレイアウトを組み、なんともおしゃれなもう1つの水槽を完成させたエマスさんなのでした。
翌日。シクリッドが泳ぐ水槽を見ていたら、もう少し小ぶりのシクリッドがほしくなってきたため、昨日苦戦した2つ目の水路にリベンジすることに。1人では捕獲が難しかったことを踏まえてこの日は助っ人を呼び、特大の網を使って挟み撃ちにしていきます。
するとあっという間に、大量のシクリッドを捕獲することに成功。網には1匹300円ほどで販売されているシクリッドが次々と入り、中にはカラフルなエンドラーズ系グッピーの姿もありました。
その後はシクリッドとグッピーを合わせて100匹ほど捕獲し、成果を2人で分け合ってから帰宅。捕獲したばかりの小さなゼブラシクリッドを水槽に入れ、大満足な様子のエマスさんなのでした。
最後に捕獲して連れ帰ってきたけれど、すぐに死んでしまったアフリカンシクリッドを試しに食べてみることに。エマスさんによると、シクリッドは原産地のアフリカでは貴重なタンパク源になっているらしいとのこと。どんな味がするのか試してみるようです(エマスさんは自己責任で食べています。決してまねしないでください)。
ウロコと内臓を取り、シンプルに塩焼きにして食べてみると、ちょっと臭いはあるけれど白身魚の味だったそうです。しかし骨が多くて骨の周りは絶望的な臭いがするとのことなので、日本の水路で捕獲したシクリッドを食用にするのは難しいようですね。
なおエマスさんが今回立ち入っていた水路は魚を獲っても問題がないか、事前に役所へと確認をとっています。公共の場所は立ち入り禁止のところも多いため、立ち入りや生き物の採取をする際は必ず問題がないか関係各所に確認してください。また、飼えなくなったからといってペットを野外に逃がすことはせず、必ず最後まで責任をもって飼育しましょう。
ちなみに今回捕獲したシクリッドには、まとめて名前を付けようと思っているそうです。名前はコメント欄で募集中なので、何か思いついた方はコメントをしてみるといいかもしれません。
動画には、「なんでこんなことするんやろ…」「勝手に遠くの地に運ばれたあげくに外来種だなんだと悪者扱いされてるのかわいそうですよね。この子たちは悪くないのにね」「捨てるなら飼うなよって感じですね」「捨てちゃだめホントダメ」「魚屋さんの魚は飼って 用水路の魚は食べるエマスさん」「シクリッドもたくさん保護することができてよかったです」といったコメントが寄せられていました。
エマスさんは生き物やアクアリウムの動画・情報を「エマスちゃんねる / EMAS CHANNEL」のほか、Instagram(@emas_channel)とX(旧Twitter)(@emas_channel)でも発信しています。
動画提供:YouTubeチャンネル「エマスちゃんねる / EMAS CHANNEL」
