鹿児島県奄美群島で数年前から確認されている外来種の害虫ソテツシロカイガラムシの被害が、これまでに徳之島でも確認され、地元自治体が対策に追われている。被害が確認された徳之島町は住民からの情報を募るとともに、被害ソテツの処分やソテツ群生地での薬剤散布などを実施。地域からは、被害の拡大防止への取り組み徹底を訴える声も聞かれる。
同島では10月9日、県大島支庁徳之島事務所農業普及課に島民から、徳之島町花徳と手々のソテツ畑でソテツシロカイガラムシと見られる被害確認の通報があった。県と町が10日に現地調査を行い、サンプルを採取。鹿児島大学へ検査を依頼した。被害があった葉は伐採、焼却したが、同町ではその後、亀津の亀徳新港周辺でも同様の被害を確認。ソテツシロカイガラムシであることが確認された。
ソテツシロカイガラムシは増殖力が高く、数カ月でソテツの株全体が白い殻で覆われることもあり、激しい場合は1年以内に枯死するとされる。2022年に奄美市で初確認されて以来、奄美大島5市町村と喜界島で被害が発生。徳之島では今回、初めて確認された。
徳之島町では10月末現在、町内15カ所約50本の被害が確認されており、町役場農林水産課が現地確認し薬剤を散布している。
薬剤散布は被害の未確認地域でも予防のために行われており、樹齢300~350年のソテツ並木が約250メートル続く同町金見の観光名所「金見崎ソテツトンネル」でも実施。
現地を管理する一般社団法人金見あまちゃんクラブの元田浩三代表理事は「早めに対処してもらって良かった。金見といえばソテツ。食糧難の時にはこのソテツのおかげで命拾いをした。害虫で失われるのはたまらない。何とかして被害を食い止めたい」と話した。
環境省徳之島管理官事務所の吉留光一離島希少種保全専門官は「まだ初期段階だと見られ、これ以上被害を拡大させないためには今見つけていくことが何よりも大事。発見したら衣服に付着させないよう、葉には触れずに連絡を」と呼び掛けている。
