生きものをはぐくむ田んぼの役割や農業の新しい在り方を考える「生きものと水土里のシンポジウム」が3日、大津市におの浜1丁目のピアザ淡海で開かれ、俳優の柳生博さんの講演や、嘉田由紀子滋賀県知事らによるパネル討論などがあった。
生きものと共生する農業を未来に引き継いでいこうと、近畿農政局や滋賀県、京都新聞社などが催した。
基調講演で柳生さんは全国各地を歩いた経験を踏まえ、「日本の自然は、里山のように人の手が入ったものがほとんど。そうした人の営みの中で生きものたちは生きてきた」と話した。
パネル討論では、水田にニゴロブナを呼び戻すことに成功した彦根市の愛西土地改良区の西川宗右衛門事務局長が取り組みについて報告。兵庫県豊岡市でのコウノトリが住める田んぼづくりも紹介され、「農業者の努力だけでなく消費者や住民の理解と協力が必要」と訴えた。
嘉田知事は「田んぼこそ、生態系を取り戻す原点。目の前にある田んぼを生かさないともったいない」と述べた。 (京都新聞)