滋賀県草津市が本年度に取り組んだ民間へのホンモロコの稚魚提供による養殖事業で、成長したモロコの出荷がこのほど終了した。養殖に取り組んだ生産者は「消費者の反応は予想以上」と手応えを感じており、市は稚魚提供を来年度以降も継続することを検討している。
本年度は、市が養殖した稚魚10万5000匹を市内の農業や漁業者3軒に提供して休耕田などで養殖に取り組んだ。餌やりなどの養殖技術を指導、3軒で計約2万7000匹(150キロ)のホンモロコの出荷に結びつけた。
今月15日から料理店などに出荷を始めたが、半月もたたないうちにすべて出荷した。市にも「どこでモロコを買えるのか」といった問い合わせが数件あったという。
25キロのモロコを出荷した漁業下村修一さん(66)=同市下寺町=は「出荷を始めてすぐに多くの問い合わせがあり、あっという間になくなった。来年は50キロの出荷を目指したい」と話す。
市は当初、稚魚の提供を本年度限り、としていたが、養殖や出荷が好調だったため「来年度以降の継続も検討したい」(農林水産課)としている。 (京都新聞)