小笠原諸島(東京都小笠原村)の世界自然遺産登録に向けて、環境省や林野庁などの関係省庁は14日、適切な保全や利用を進めるための「地域連絡会議」の設置を決めた。22日に初会合を開く。政府は懸案の外来種問題を解決するための道筋をつけ、早ければ来年中にも推薦の前段階となる文書を世界遺産委員会事務局に提出する考えだ。
小笠原諸島はオガサワラオオコウモリやムニンツツジなど多くの固有な動植物が生息し、島ならではの珍しい地形を有している。しかし、動物ではノヤギ、植物ではアカギなどの外来種がはびこり、固有種の保護が最大の懸案になっている。
地域連絡会議は両省庁などの関係行政機関のほか、観光、漁協、NPO(非営利組織)などが参画、独特の生態系を守るための対策を加速させる。また、学識経験者でつくる科学委員会も発足させ、助言を求めていく。
国内の世界自然遺産は白神山地(青森、秋田県)、屋久島(鹿児島県)、知床(北海道)の3カ所が登録されている。【田中泰義】 (毎日新聞)