2006年10月06日

敦賀の廃棄物処分場問題:環境ホルモン、近くの川で濃度が前回調査の16倍/福井

 ◇住民ら不安の声
 福井県敦賀市樫曲(かしまがり)で違法増設された民間最終処分場問題で、処分場近くの木ノ芽川から検出される環境ホルモン「ビスフェノールA」の濃度が前回調査から約16倍に高まっていたことが、県の水質調査結果からわかった。同地点の濃度は03年6月に県が漏水防止対策として実施した遮水壁の設置以後、下がっていたが、再び上がったことで住民からは不安の声が出ている。

 検出されたのは、処分場すぐそばの流域で、7月7日に採水して成分を調べたところ、1リットル当たり14マイクログラム(1マイクログラムは1グラムの100万分の1)を検出した。同地点では、03年6月に最高の同32マイクログラムを記録しているが、遮水壁設置後は0・51〜3・9マイクログラムに低減しており、昨年11月の前回調査では0・85マイクログラムだった。
 ビスフェノールAは、環境基準はないが、同890マイクログラム以上の環境で雄のメダカが雌化したとの研究報告があり、環境省は同24・7マイクログラム以下を生態系に影響を与えない濃度としている。
 結果について県廃棄物対策課は「濃度はもともと季節による変動があり、1度の調査結果では原因はわからない。モニタリングを続けることで傾向を見ていきたい」と話している。一方、住民団体「木の芽川を愛する連絡協議会」の今大地晴美代表世話人は「遮水壁を設置しても出るということになれば、今後、恒久対策をしても止まるのかどうかわからない」と不安の声を漏らしている。【兵頭和行】 10月5日朝刊 (毎日新聞)

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Posted by jun at 2006年10月06日 14:51 in 自然環境関連

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