2006年09月14日

天竜川増水:雨でダム放流 「中州に人」通報相次ぐ 救助要せぬ釣り人多く/静岡

 ◇「災害」へ出遅れ懸念
 太平洋岸に停滞した前線の影響で山間部の雨が続き、増水した天竜川の中州に人が取り残されているという通報が12日、浜松市消防本部に相次いだ。救急隊が出動すると、増水時のアユを狙った釣り人が多く、実際に救助が必要な事例は少ない。雨の多い季節を前に、「本当の災害があった場合に出遅れる恐れもある」と懸念する声が出ている。【竹地広憲】

 長野県も含め上流で1時間あたり数十ミリの降雨のあった同日、午後1時半から4件の通報があった。最初の出動では、同市新貝付近で中州に取り残された60歳代の夫妻を救出。しかし同6時8分までの3件では、救急隊は投網を打つ数人を確認したが要救助者を見つけられなかった。
 Jパワー(電源開発)天竜事務所によると、上流の船明ダムの水が増え、同日午前5時半ごろから8月9日以来約1カ月ぶりとなる放流を始めた。天竜川漁協などによると、秋口は「落ちアユ」の季節で、増水時に川を下るアユは流れの緩い河岸に近づくため、これを狙った釣り人が中州に一斉に集まったらしい。
 放流が始まると水位は一気に約1メートル増え、7カ所に設置し回転灯で知らせる仕組みになっている。しかし、井口明事務局長(59)は「漁協から権利を買った人だけではなく密漁者もいる。そういう人が川をあなどり、本当に取り残される場合もある」と心配している。
 消防本部は「別の災害が発生した場合、遠くの隊を回す分だけ時間がかかる」と心配している。 9月14日朝刊 (毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-静岡-朝日新聞

Posted by jun at 2006年09月14日 12:34 in 内水面行政関連

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