2006年09月14日

セイヨウオオマルハナバチ 特定外来生物に指定

 トマトやナスの花粉媒介虫になっているセイヨウオオマルハナバチ(欧州原産)が生態系へ重大な影響を与える恐れがあるとして、9月から国の特定外来生物に指定された。飼育や輸入するには環境省の許可を得る必要がある。県内では印南町や御坊市を中心に使用されており、同省では生産者らに対し注意を呼び掛けている。

 セイヨウオオマルハナバチは、1991年に静岡農業試験場で試験導入された後、輸入が本格化した。トマトの温室栽培では、これまでは植物ホルモン剤を使用して結実させていたが、このハチに授粉を仲介させることで作業が大幅に軽減したという。国内の温室トマトでは栽培面積の約4割が利用している。御坊日高地方に導入されたのは5年ほど前から。
 一方で、96年に北海道でこの女王バチの野外越冬が初めて確認され、自然巣も見つかった。在来種のマルハナバチの生態系を脅かすことや、野生植物の繁殖阻害などの影響があるとして専門家らによって特定外来生物に指定され、規制が設けられた。
 引き続き飼育するには、防虫ネットを張るなどしてハチが外へ出るのを防ぐことや巣箱の適正な処理、飼育しているハチの数量を記載することなどが条件。施設の写真などを添付した申請書を作成し、環境省の許可を得る必要がある。
 経過措置期間が2007年3月1日まで6カ月ある。それ以降は許可なく飼育したり条件に反したりしたときには、一番重い罰則で個人の場合、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金に処せられる可能性もあるという。
 このほど御坊市で説明会が開かれた。温室トマト栽培が盛んな同市や印南町から約50人の農家や関係業者らが参加し、環境省の近畿地方環境事務所職員から許可申請の仕方などの説明を聞いた。
 農家や業者からは「ハウスからハチが出るのを完全に防ぐのは不可能ではないか」「特定外来生物に指定されたことをもっと早く周知してほしかった」などの戸惑いの声も聞かれた。 (紀伊民報)

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Posted by jun at 2006年09月14日 12:26 in 自然環境関連

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