2006年09月03日

危惧鳥類、16種絶滅免れる 保護活動で中国トキなど

 国際的な鳥類保護団体バードライフ・インターナショナル(BI)の研究チームは、過去約10年間に各国で行われた保護活動によって、16種の鳥が絶滅を免れたとの研究結果をまとめた。

 1994年には22羽しかいなかった中国のトキは2004年には360羽に、9羽だけだった米国のカリフォルニアコンドルも128羽になった。また、94年以前に始まっていた保護活動によっても、日本の鳥島のアホウドリなどさらに10種が救われたとしている。
 激減した鳥類の個体数を増やすことは極めて難しいとされているが、BIのスチュアート・ブッチャートさんは「鳥を絶滅から救うことは可能と証明された。だが、これら16種は現在絶滅が懸念されている鳥類のわずか1%余で、保護活動を大幅に強化しなければならないことも明白だ」と指摘している。
 研究チームは、世界の鳥約240種類について、94年から04年までの間の個体数などを調べ、コンピューターモデルなども使って保護の取り組みの効果や、それがなかった場合の個体数の変化などを推定。保護活動がなければ絶滅した可能性が非常に高い種が16種あることを突き止めた。
 中国政府の記録などによると、トキは繁殖する巣の周辺で開発を規制したことなどが奏功し、今も増加傾向にある。5つがいにまで数が減っていたインド洋の島国、モーリシャスにすむインコの一種も、人工繁殖などの結果、55つがいに増えたという。
 ただし、研究チームによると、これらは現在絶滅の危機にあるとされる鳥類のわずか1・3%。この期間に絶滅の危険度が高まった鳥の方が圧倒的に多いという。
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【用語解説】絶滅危惧(きぐ)鳥類\n 国際自然保護連合(IUCN)が今年5月に発表した絶滅危惧動物のリストには1200種余の鳥が掲載され、この中でも日本のコウノトリやヤンバルクイナなどを含めた世界の約180種が「絶滅の危険性が極めて高い」とされている。日本の環境省のリストでは、トキが「野生絶滅種」とされ、シマフクロウやノグチゲラなど89種に絶滅の恐れがあるとされている。生息地の破壊や外来種の影響、乱獲などが個体数減少の主な原因になっている。(産経新聞)

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Posted by jun at 2006年09月03日 20:07 in 自然環境関連

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