絶滅が心配される天然記念物の淡水魚「イタセンパラ」の稚魚が、草津市下物町の県立琵琶湖博物館で一般公開されている。2枚貝に産卵する珍しい魚で、同館は「貴重な淡水魚の姿を見に来て」と呼び掛けている。
同館で繁殖させた450匹のうち、体長3センチほどに育った30匹を、ふれあい水槽コーナーの一画で展示している。丸みを帯びた体をした稚魚は、水槽の中を元気に泳ぎ回っている。
琵琶湖博物館によると、イタセンパラはコイ科で、大阪府内の淀川の一部などに生息し、成魚には2枚貝に産卵する珍しい習性がある。同館は継続して養殖しており、昨年9月ごろに産卵し、5月から6月中旬に稚魚が貝から泳ぎ出てきた。
イタセンパラは環境省のレッドデータブックに絶滅危惧(きぐ)種として掲載され、滋賀県では絶滅種とされている。同館は「希少なイタセンパラの姿から、環境保全の重要性を感じてほしい」としている。
一般公開は8月6日まで。有料。
(京都新聞)