2006年07月12日

絶滅危惧種:淡水魚・ゼニタナゴ 市民と一緒に保護を−−秋田・大森山動物園 /秋田

 ◇ボランティアを募集
 環境省や県のレッドデータブックで絶滅危惧(きぐ)種に指定されている希少な淡水魚・ゼニタナゴ=写真・大森山動物園提供=を市民と一緒に保護しようと、園内に生息地を持つ秋田市の大森山動物園(小松守園長)が保全池作りや生物調査のボランティア参加者を募集している。市民の参加で活動の輪を広げ、環境保護の意識向上につなげるのが狙い。

 県水産振興センターなどによると、ゼニタナゴは日本固有の魚で肌のようにきめ細かいうろこが特徴。青森を除く関東以北に分布していたが、環境悪化で90年代から急速に減少。現在は青森と山形を除く東北4県約10カ所に生息している。捕獲や殺傷を禁止する種の保存法などには指定されていないため、希少性の高さから数万円で取引されるという。
 04年の大森山動物園の生物調査で、ゼニタナゴが園内の沼に生息していることが分かったが、その後の調査では稚魚を確認できなかった。アメリカザリガニの増殖により、ゼニタナゴが産卵する二枚貝ドブガイが減少したためとみられる。同園は市内の小学生らとザリガニ駆除に取り組んでおり、今年はゼニタナゴとドブガイを避難させるため、園内に人工池を建設することを決めた。
 動物園は、市民と共に人工池の建設や保護活動に取り組むことで、希少の生物が生息する秋田の自然を知り、環境保護を考えてほしいとしている。ボランティアは10〜20人を募集、活動期間は9月〜来年8月。参加者には入園料割引券を発行する。来月16日には、ジャズを聴きながらゼニタナゴの映像を見たり専門家の講演を聞くイベントも計画。問い合わせは電話018・828・5508同園。【馬場直子】

7月11日朝刊
(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2006年07月12日 00:25 in 魚&水棲生物

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