2006年06月24日

アライグマ大繁殖か 京北に100匹超? 作物食べ民家近く出没

 京都市右京区京北で農作物に被害を与えたり、家屋に侵入していたずらするアライグマが増えている。関西野生生物研究所(東山区)の調べで、高密度に分布している可能性が高いうえ、ツバメのひなを食べた痕跡も確認された。被害拡大を防ぐため、同研究所は聞き取り調査やアンケートを実施し、地域住民らと協力して対策に乗り出す。

 アライグマは、北米原産の外来種。ペットとして輸入されたが、逃げ出して野生化し、全国的に農作物に被害を与えているという。府内でも近年、被害が広がり、京都市内では、昨年、社寺の天井裏にすみついて穴を開けるなど問題になった。
 同研究所は、4月11日から5月末まで京北地域の南西の集落約3キロの範囲で調査し、メス6匹、子ども5匹を捕獲した。京北をのぞく京都市、向日市、長岡京市では、1年ほどの間で合わせて117匹だったのに比べて捕獲数が多く、「わなを仕掛けたらすぐに引っかかるほど。京北だけで100匹以上いるのではないか」(同研究所)という。
 6月の調査では、民家の軒下にある高さ約2・5メートルのツバメの巣にアライグマの5本指の足跡が残り、ひなが食べられていた。同家の主婦(68)は「アライグマの仕業とは思わなかった」と驚いた様子。近くの農家の男性(76)も「これまでカラスやサルの被害が多かったが、アライグマが増えている。カボチャ、イモ、スイカ、何でも食べられる」と嘆いた。
 同研究所は、網で効果的に捕獲するため、京北自治振興会を通じて目撃情報を募っているほか、生息、被害状況を尋ねる全戸アンケートも実施する予定にしている。
 同研究所の川道美枝子代表(58)は「今夏の農業被害や、生態系を守る意味でも対策を急がなければならない」と話す。
 
(京都新聞)

+Yahoo!ニュース-京都-京都新聞

Posted by jun at 2006年06月24日 20:00 in 自然環境関連

mark-aa.jpg