◇針をのみ込んだウミネコも目撃
伊豆野鳥愛好会(酒井洋平会長)はこのほど、伊東市吉田の一碧湖で釣り人が放置した釣り針や釣り糸(テグス)の回収に取り組んだ。3時間で190グラム(延長約2・5キロ分)のテグスと針付き疑似餌やルアーなど30個、中毒を起こす鉛の重り多数を除去した。10日から始まった愛鳥週間。会員は釣り人にマナーの向上を呼び掛けている。
約20人が湖畔沿いの4キロを歩き、木々の枝に絡まった釣り糸を見つけては高枝バサミで切り取った。テグスは護岸の石積みにも放置されており、会員たちは腹ばいになったり、水に入って回収した。発見はしたものの、遠くて処理できないテグスもあり、小雨の中で悪戦苦闘が続いた。
湖へ向かって投げた釣り糸が枝に引っかかるとすぐに切って放置したり、不要な糸を遊歩道に投げ捨てたりと、釣り人たちのマナーの悪さが回収作業で浮き彫りになった。
放置のテグスや疑似餌を野鳥たちが餌と間違えてのみ込んだり、テグスを絡みつけた足が腐って命を落とすなどの事故が相次ぐ。同湖でも傷ついたアヒルが見つかり、獣医が治療した。同市の松川河口では針をのみ込んだウミネコが口からテグスをたらしながら飛ぶ姿が目撃されている。
酒井会長は「周囲に気を配り、マナーを大切に楽しんでほしい」と話している。【鈴木道弘】
5月14日朝刊
(毎日新聞)