生息数が減少している琵琶湖の固有魚ホンモロコの養殖実験に取り組んでいる滋賀県草津市は、本年度から市内の漁業関係者らを対象に、稚魚の提供を始めた。養殖規模の拡大と休耕田活用をめざしており、初日となる9日は、同市志那町の休耕田に稚魚3万匹を放流した。
休耕田を利用して育成できる事業者を条件に、市がふ化させた稚魚を提供する。この日は、同町の漁業松浦敏夫さん(56)の休耕田200平方メートルに、市職員がバケツに入った稚魚を持ち込んだ。
稚魚はふ化して3日で、体長は5ミリほど。水を張った休耕田に松田さんや市職員がゆっくりと放つと、元気よく泳いでいった。
市によると、順調に育てば10月ごろには体長10センチほどに成長し、市場への出荷が見込めるといい、松田さんは「田んぼの中で元気に育ってほしい」と話している。
市は昨年度から、休耕田を利用したホンモロコ養殖に取り組んでおり、本年度は30万個の卵を確認している。今後も漁業関係者などに稚魚の提供を続けていく。
(京都新聞)