2006年05月05日

イタチの情報提供呼び掛け 龍大が京滋で生態調査

 里山と都市での動物の生態調査の一環として、龍谷大里山学・地域共生学オープンリサーチセンター(里山ORC)が滋賀と京都でイタチの調査を始めた。「外来種が在来種を駆逐している」との見方があるが、生態の変化は都市開発の影響が大きいのではないかといい、イタチの死骸(がい)や巣の情報提供を呼び掛けている。

 呼び掛けているのは、里山ORC研究メンバーで成安造形大非常勤講師の渡辺茂樹さん。大阪府北部など各地で在来種のニホンイタチ(イタチ)と外来種のシベリアイタチ(チョウセンイタチ)の生息状況から、人と動物のかかわりを探っている。
 シベリアイタチは20世紀半ばに日本に移入されたものが野生化、関西では都市部のイタチのほとんどと見られる。「シベリアイタチがニホンイタチを駆逐した」との説があるが、里山から奥にはあまりいないことから、渡辺さんは「都市開発がニホンイタチを山へ追いやり、その空白地にシベリアイタチが入り、都市生活に適応したのではないか」と考える。
 ニホンイタチは小動物やカエル、昆虫などを食べる里山の動物。シベリアイタチは果物なども食べ、家屋の天井裏などにも住んでおり、尾が長いのが特徴という。
 渡辺さんらは3月下旬、龍大瀬田キャンパス(大津市)の南の田上地区で調査を実施。山の深い場所でニホンイタチ6匹、開けた場所でシベリアイタチ2匹が捕獲された。さらに広域で調べようと、協力を呼び掛けることにしたという。
 渡辺さんは「滋賀と京都のイタチの分布と生活を解明したい。確実なのは死骸の情報だが、子育ての時期なので巣の情報もいただければ」と話している。情報は電子メール(mustela.itatsi.sibirica@docomo.ne.jp)で。死骸は可能なら冷蔵庫などで保管してほしいという。
(京都新聞)

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Posted by jun at 2006年05月05日 13:22 in 自然環境関連

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