福島県北塩原村の磐梯朝日国立公園・桧原湖で、釣り客を乗せるはしけから湖にし尿が垂れ流された疑いがあることが分かり、県などが26日、調査を始めた。この日は形跡は確認されなかったが、廃棄物処理法違反などの疑いもあるとみて、はしけを営業する業者らから事情を聴く。
20日に周辺住民が「はしけの周りの氷が赤っぽく変色している」と県に通報した。住民によると、1週間ほど前から一部のはしけ上で、何らかの作業をしているような様子が見られ、直後に変色が広がったという。
はしけは20数基あり、それぞれ10―30人が乗れる。ワカサギ釣りシーズンを中心に、周辺の民宿業者らが湖上に浮かべて営業し、ボートや、氷が張った後はスノーモービルで客を運んでいる。
ビニールなどの風よけで覆われ、中に簡易トイレが設置されている。し尿はポリタンクなどにためられ、陸に運んで処理することになっている。
はしけの営業者らでつくる桧原遊漁船組合に加入する民宿経営者(58)は「組合ではし尿の適正処理を徹底しているが、組合に入っていない業者もあり、実態は分からない」と話している。
(河北新報)