2006年04月27日

飼ってはいけない 絶滅危惧種セマルハコガメ

 約4年間、那覇市の保育所で飼われたカメが西表島や石垣島、台湾などに生息する「セマルハコガメ」だったことが分かり、今月中旬から沖縄市のこどもの国で保護・飼育されている。国産のセマルハコガメは国の天然記念物。同園では現在、同様の持ち込みなどで31匹のセマルハコガメを飼育しており、「生態系を乱さないためにも、生息地で捕獲して沖縄本島に持ち込むのはやめてほしい」と注意を促している。

 セマルハコガメは、西表島や石垣島、台湾、中国南部に分布する。国産の「ヤエヤマセマルハコガメ」は国の天然記念物で、県のレッドデータブックの絶滅危惧(きぐ)II類に指定されており、捕獲や飼育はできない。
 持ち込まれたカメは国産か別亜種なのかは特定できていないものの、逃げ出して生態系を崩すことのないようにと、保育所から連絡を受けた県教育委員会文化課職員が今月12日、同園に持ち込んだ。
 同園飼育課によると、ここ10年ほどの間にセマルハコガメと知らずに飼育したり、道ばたで拾われ同園に持ち込まれる事例が相次いでいる。今月だけで3匹のセマルハコガメが持ち込まれた。
 同園飼育課の比嘉源和(げんわ)課長は「逃げ出して他種と交雑すると、生態系を乱す。生息地で捕獲し、分布しない地域へ持ち込むのはやめてほしい」と語る。那覇市立赤平保育所の森田佐代子所長は「わたしたちもカメが天然記念物だということを知らなかった。これを機に、保育士も勉強して子供たちに教えていきたい」と話した。
(琉球新報)

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Posted by jun at 2006年04月27日 11:51 in 魚&水棲生物

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