2006年04月27日

琵琶湖のアユ 弱くなった? 岐阜の漁協、風評「冷水病」確認調査へ

 岐阜県の長良川に琵琶湖産の稚アユを放流している長良川中央漁協(事務局・美濃市)が、琵琶湖産アユが冷水病で弱くなっているかどうかを確かめる調査を始めた。判別が付くようにヒレの一部を切って放流し、漁業者や釣り人から漁獲量などを聞き取る。

 冷水病の風評もあって、全国で琵琶湖産アユの放流量が減り続けており、復権を願う滋賀県や県内の養殖業者も結果を注目している。
 琵琶湖産アユは味の良さに加えて、縄張りを守る習性が強いことから、友釣りに「最適」とされている。ピーク時の1987年には、全国の河川に放流される稚アユの7割を占めていたという。
 しかし、90年代前半から琵琶湖で冷水病が発生し、アユも感染して弱くなっている、との風評が広まった。独自にアユの養殖を始める漁協も増えたため、放流用の琵琶湖産アユの出荷量は97年の650トンから、昨年度に240トンまで落ち込み、全国シェアも2割に激減している。
 長良川中央漁協は例年、岐阜県関市と美濃市の長良川本・支流で、琵琶湖産約6トンを含む約12トンの稚アユを放流している。同漁協関係者によると「琵琶湖の冷水病が不安なので、放流量の削減を検討しているが、よく釣れて、味も良いので捨てがたい」という。
 調査は、順次放流する稚アユのうち、約900キロ分の琵琶湖産アユの背ビレと尾ビレの間にあるアブラビレを切除して行う。6月1日のアユ釣りの解禁後に、漁業者や釣り人から琵琶湖産アユの釣れ具合などの情報を募る。
 長良川中央漁協は「弱いアユはすぐに死んでしまう。漁獲量などを聞いて、琵琶湖産アユが本当に弱くなっているのかを見極めたい」としている。滋賀県水産課は「琵琶湖産アユには、加温処理などの冷水病対策を施している。(調査では)良い結果が出るはず」と期待している。
 【冷水病】 細菌による魚の感染症で、体表に穴が開いたり、尾ビレが欠損するなどして大量死することもある。アユでは、1987年に徳島県で初めて感染が確認され、全国に広まった。水温の低い5、6月に集中して発症する。
(京都新聞)

+Yahoo!ニュース- 滋賀-京都新聞

Posted by jun at 2006年04月27日 11:54 in 魚&水棲生物

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