福岡県朝倉市荷原の寺内ダム周辺にアライグマが生息していることが、国土交通省九州地方整備局の調査で分かった。捨てられたペットとみられるが、アライグマは昨年6月施行の外来生物法で輸入や飼育が規制される「特定外来生物」に指定されており、生態系への影響や農作物被害を懸念する声が出ている。
確認されたのは昨年1月22日午後9時半ごろと、同24日午後7時15分ごろ。同整備局が生物調査のため、ダムの北側約500メートルの小川沿いに一時設置していた無人カメラが、後ろ姿を撮影した。
北米原産のアライグマは、テレビアニメ「あらいぐまラスカル」をきっかけに約30年前から、ペットとして広く飼われるようになったが、気性が荒く、多くが山などに捨てられたという。
日本には天敵のピューマなどがいないため野生で繁殖し、2000年には17都道府県で目撃情報が国などに寄せられた。九州では、長崎県北部から佐賀県西部にかけて野生化した“捨てアライグマ”が生息地を拡大しているとみられる。
今回見つかった場所は近くに道路もなく、水資源機構寺内ダム管理所の担当者は「誰かが山に分け入って捨てたのか、ほかの場所から移動してきたのか」と首をかしげている。=2006/04/08付 西日本新聞夕刊=
Posted by jun at 2006年04月10日 10:30 in 自然環境関連