2006年03月02日

カワウの集団営巣の影響報告 草津の琵琶湖博物館でセミナー

 琵琶湖やその周辺に生息するカワウの集団営巣が、森林の生態系に与える影響をテーマにした研究セミナーが1日、滋賀県草津市の滋賀県立琵琶湖博物館であった。カワウのふんや死骸(しがい)の影響で、営巣地の土壌や植生が変化している実態が報告された。

 県内では、長浜市の竹生島や近江八幡市の伊崎半島で、集団営巣による森林の立ち枯れが問題になっている。
 保原達・酪農学園大講師は「カワウのふんに含まれる窒素とリンが土中に吸収され、土壌の養分バランスが崩れ、生態系を変化させる恐れがある」と指摘し、窒素の多い環境に適応するヨウシュヤマゴボウが伊崎半島で増殖した例を紹介した。
 また、営巣地の昆虫の分布を調べた琵琶湖博物館の亀田佳代子主任学芸員は、営巣中はカワウの死骸や魚の食べかすを好むシデムシ類が急増し、営巣をやめた後は森林が枯れて草原化が進み、植物を食べるゾウムシ類が増えたことを報告した。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2006年03月02日 12:40 in 自然環境関連

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