2006年02月19日

ヨシ帯:よみがえれ、針江浜のヨシ帯 浸食防ぐ消波堤設置−−高島/滋賀

 ◇環境保護団体と国交省が
 高島市新旭町の針江浜にあるヨシ帯で16日、間伐材や里山の柴を使った粗朶(そだ)消波堤を作る作業が行われた。波でヨシの根元の砂がさらわれたために消失したヨシをよみがえらせる試みで、早ければ数カ月で砂が堆積(たいせき)し始め、数年でヨシ帯がよみがえると期待されている。

 作業に当たったのは、3年前から志賀町中浜で同様の消波堤を作ってきた「FLBびわ湖自然環境ネットワーク」「大津みどりのNPO」の2グループと国交省琵琶湖河川事務所、地元の自然保護団体のメンバーら。今年初めから比良山系で集めた杉、ヒノキの間伐材で作ったクイを湖底に打ち込み、中にクヌギ、コナラなどの枝や竹を詰め込むなどしてきた。
 この日は十数人で仕上げの作業を行い、長さ20メートルの消波堤が10メートル間隔で計3基完成した。近くには、同様の目的で、間伐材のクイを湖岸から沖に向かってすき間なく打ち込んだ突堤(長さ30メートル)も出来上がった。
 針江浜のヨシ帯は約6・3ヘクタールあり、琵琶湖3大ヨシ原の一つとされるが、近年は波による浸食で少しずつ面積が減っている。FLBの寺川庄蔵代表によると、消波堤の完成で湖岸側の約4000平方メートルのヨシ帯が回復する見込み。消波堤は腐食して5年ほどで自然消滅するという。粗朶消波堤の設置は琵琶湖では3カ所目。寺川代表は「これが増えていけば、琵琶湖のヨシ帯と里山の回復が同時に図れる」と話している。
 なお、国交省琵琶湖河川事務所では、針江浜のヨシ帯の中にある沼地で育つコイなどの稚魚が水位の低下で取り残され死滅するのを防ごうと、沼地と琵琶湖を結ぶ手掘りの水路を設ける試みにも取り組んでいる。【森岡忠光】2月17日朝刊(毎日新聞)

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Posted by jun at 2006年02月19日 10:31 in 自然環境関連

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