2006年02月19日

特定外来生物:カワヒバリガイ、霞ケ浦で発見 県内初、水質悪化「心配なし」/茨城

 霞ケ浦で、特定外来生物の二枚貝「カワヒバリガイ」が県内で初めて発見された。カワヒバリガイは導水管などで大量発生して水を流れにくくしたり、大量死すると水質悪化を引き起こすことが海外の事例で明らかになっている。事実確認した県内水面水産試験場は「現在までに大量発生はしていない」とみている。

 カワヒバリガイはイガイ科で、原産地は中国。殻の長さは2〜3センチで黄緑がかった黒褐色。繊維状の物質を分泌して硬い石などに付着する習性がある。毒性はないが、繁殖力は強い。
 同試験場によると、昨年11月、かすみがうら市田伏の養殖業者が、湖内の網いけすに見たことのない貝が数十個張り付いているのを発見した。廃棄処分されたが、同試験場などの鑑定で、カワヒバリガイと分かった。霞ケ浦では94年ごろ、水産加工業者が輸入、放流した中国産シジミにカワヒバリガイが混入していたとの報告があるが、生息の確認は初めて。
 カワヒバリガイは80年代に香港や韓国で大量発生。ダムの送水管やポンプ場に繁殖し、水量が減って悪臭も発生して社会問題となった。国内では90年代初頭に初めて確認され、木曽川水系、琵琶湖・淀川水系で多数生息するようになった。東日本では未発見だったが、今月に入り、群馬県富岡市の用水路で異常発生が確認され、同県は近く駆除する予定。
 同試験場は来月発行する研究報告書に、カワヒバリガイの新種確認報告を掲載する。同試験場河川部の二平章部長は「霞ケ浦の取水口は太いものが多く、カワヒバリガイが大量発生しても詰まる可能性は少ない。導水管の衛生管理もきちんとしているので現時点で被害の心配はないと思う」と話している。【三木幸治】2月18日朝刊(毎日新聞)

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Posted by jun at 2006年02月19日 11:26 in 魚&水棲生物

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