2006年02月17日

カミツキガメの飼育規制変更 京滋でも捕獲 人的被害も

 環境省が危険動物と認定し、京滋など全国で捕獲数が増加しているカミツキガメの飼育規制が変更されることになり、京都府などの自治体が頭を悩ませている。外来種被害防止法の導入で、今年6月から条例の規制から外れ、飼い主は行方不明になっても警察に通報する義務がなくなってしまうからだ。府企画環境部は「人的被害や繁殖防止に影響が出るかもしれない」と心配している。

 カミツキガメは動物愛護管理法により、人に危害を与える恐れのある「特定動物」(約650種類)に指定されている。安全対策は都道府県の権限で、京都、滋賀を含む多くの自治体は条例で規定を定め、特定動物が逃げたり、人に危害を加えた時は飼い主に警察や府県への速やかな通報を義務づけ、違反者には罰則も課している。
 ■国に対策移管 府は困惑
 昨年6月、ブラックバスなどの繁殖抑制に向けた外来種被害防止法が施行。カミツキガメは規制対象の「特定外来種」にも指定され、国が対策にあたることになった。このため、環境省は昨年末「二重指定」となったカミツキガメやタイワンハブなど5種類を特定動物から除外し、動物愛護管理法の規制の網から外すことを決めた。
 外来種被害防止法は野外に放すことは禁じているが、通報義務はない。飼育数が増減した場合は30日以内の届け出が必要との規定があり、「逃走時も死亡した場合と同じで、飼育数の変更として扱われる」(同省野生生物課)という。
 通報義務がなくなることについて、府動物愛護管理室は「国の方針なので、どうしようもない。罰則がなくなっても『通報してください』と訴え続けるしかない」と話し、環境省は「制度変更は国と都道府県の業務を明確にするのが目的。逃走した際、警察への通報は必要だが、飼い主の良識に任せたい」としている。
 【カミツキガメ】 北米原産で淡水に生息する。鋭利な牙とつめを持ち、指を食いちぎられる恐れもある。ペットから野生化するケースが増加し、千葉県印旛沼では繁殖例を確認。ここ5年間で滋賀県の琵琶湖近辺で9件、京都府でも8件の捕獲歴がある。
 
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2006年02月17日 10:12 in ブラックバス問題, 魚&水棲生物

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