美しい湖国の風景を次代に引き継ごうと、滋賀県は「湖国風景づくり宣言」の策定を進めている。諮問機関「県景観審議会と県都市景観審議会の合同専門委員会」が、琵琶湖の背後に連なる山々や広大な田園など、特色ある風景を広域的に守る理念と目標を掲げた原案をまとめたのを受け、県が県民から意見を募っている。
宣言案では、県の風景の特徴として、琵琶湖を中心にまちや山々、川などが全域で一つにまとまっていることを挙げる。昨年に全面施行した景観法が各自治体で地域の景観を守ることになっているため、宣言を基に市町の区域を越えて、県民や市町、県が積極的に風景を大切にすることをうたっている。
基本目標として、琵琶湖を中心に山々やまちなどが一体となった「ひろがりの風景」▽街道や河川などの連続する「つながりの風景」▽歴史的なまちなみなど「地域らしさの風景」―を守り育てることと、風景を大事にする人材育成を挙げている。
県自然環境保全課は「宣言は建物の高さなどを規制するものではないが、ビルや家を建てる際に、風景を守ることを共通理念にしたい」としている。意見募集は3月9日まで。問い合わせは同課TEL077(528)3481。
(京都新聞)