2006年02月15日

ヌートリアの生息確認 八幡の大谷川、農作物に被害の恐れ

 生態系を乱し、農作物に被害をおよぼす恐れがある外来種の動物ヌートリア(げっ歯目ヌートリア科)の生息がこのほど、京都府八幡市八幡の大谷川で確認された。淀川水系では大阪市から大阪府枚方市などにかけて定着個体が確認されており、上流の府南部にも分布が拡大しているとみられる。

 生息を確認したのは、ヌートリアなどを調査研究している八幡市八幡の奈良大大学院生安藤誠也さん(23)。昨年、担当教授の研究で淀川水系を調査し、宇治川流域の3カ所で足跡やふんを発見。さらに木津川支流の大谷川を調査をしたところ、今年1月末にヌートリアと巣を見つけた。
 ヌートリアは南米原産のネズミの一種。体長50-70センチ、体重5-10キロの草食性で、河川や池などの土手に数メートルの穴を掘って営巣する。繁殖力が強く、寿命の5-8年間に年2、3回、1回平均5匹を出産し、子は半年で成熟する。日本には第2次世界大戦中、軍隊の防寒服の毛皮用として150匹が輸入され、約4万匹に増えたが、終戦後の需要減などで多くが放たれ、野生化した。
 府北部などではすでに、根菜類をはじめ葉物やイネなどに被害が出ている上、水辺の土手などに作る巣穴が治水に悪影響を与える恐れもある。府レッドデータブックでは、生態系に特に悪影響を及ぼすと考えられ、今後の動向に注意が必要な「要注目外来種」とされている。
 府山城広域振興局は「『生息しているであろう』とは考えており、実際に農業に被害が出るようならば駆除などの対策が必要」としている。
 安藤さんは「ヌートリアの分布が拡大しないうちに手を打つべきだ」と呼びかけている。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2006年02月15日 10:00 in 魚&水棲生物

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