2006年02月07日

水草繁茂 湖底は低酸素 夏の琵琶湖・南湖 県博物館が調査

 琵琶湖の南湖で水草が繁茂する夏場に、湖底の一部が低酸素状態に陥ることが、滋賀県立琵琶湖博物館(草津市)などの調査で、6日までに分かった。生態系に支障があるとされる数値より低い酸素濃度を示した場所が多数確認されており、湖底の貝類などへの影響が懸念される。

 同博物館と近畿大が2002年9月、南湖全域の84地点で、湖底から10センチの水中に溶けた酸素濃度を測った。その結果、大津市南部や草津市沖を中心にした36地点で、海の内湾で健全な漁場の目安とされる酸素濃度(1リットル当たり4・3ミリグラム)より低い値だった。
 同博物館によると、南湖の水深は平均約4メートルと浅く、風で光が当たる表面の層と湖底の冷たい層が混ざりやすく、これまで低酸素状態にはなりにくかった。
 ところが、1994年の渇水を機に、水草が繁茂するようになり、水が停滞して混ざりにくくなった。さらに、葉が茂る表面では光合成により酸素がつくられるが、光の届かない湖底では光合成ができず、微生物などによって酸素は消費されるばかりで、濃度が低下したとみられる。
 大津市打出浜沖の測定では、水深2メートルの酸素濃度は1リットル当たり10・4ミリグラムと高かったが、湖底に近い水深3・25メートルでは1リットル当たり0・8ミリグラムと異常に低かった。
 南湖は夏になると、約8割が水草に覆われる。中でも長さ約1−2メートルに成長するオオカナダモが多い所は、酸素濃度が低い傾向があるという。
 同博物館の芳賀裕樹主任学芸員は「今でも夏には酸素濃度が低下している恐れが強い」とし、「シジミなど移動能力の低い2枚貝に特に影響を与える可能性がある。今後の水草の増え方に注意することが必要だ」と指摘している。(京都新聞)

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Posted by jun at 2006年02月07日 13:04 in 自然環境関連

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