2006年02月03日

外来種が上陸、小笠原固有のカタツムリが絶滅の危機

 「日本のガラパゴス」とも呼ばれる小笠原諸島固有のカタツムリ類が、外来種のプラナリア(扁形(へんけい)動物)により絶滅の危機に瀕(ひん)していることが、森林総合研究所(茨城県つくば市)の調査研究で分かった。

 特に深刻なのが、父島全域に生息していた殻の直径2、3センチほどのカタマイマイ。1990年前後に沖縄から植物に付着して持ち込まれたプラナリアの一種、ニューギニアヤリガタリクウズムシに捕食され、現在は島北部ではほとんど見られなくなってしまったという。

 小笠原諸島では、固有のカタツムリ類が90種ほどいたが、環境の変化により7割が絶滅したとされる。残った種も1990年代に入り、外来種の侵入で、生息数の減少が加速している。

 同研究所は、昨年10月、父島でカタツムリがニューギニアヤリガタリクウズムシに捕食されている実態を世界で初めて野外実験で確認した。これを受け、環境省は今月から、ニューギニアヤリガタリクウズムシを防除の対象となる特定外来生物に指定した。

 同研究所昆虫生態研究室の杉浦真治研究員は「このプラナリアがまだ持ち込まれていない島への拡散を防ぐ対策を早急に講じ、土や苗木の移動の際には十分に注意する必要がある」と話している。(読売新聞)

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Posted by jun at 2006年02月03日 19:53 in 自然環境関連

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