2006年01月13日

ヨシの刈り取りなど 滋賀県 補助金2年以上あけ実施

 琵琶湖のヨシの刈り取りやヨシ焼きなど、滋賀県内の各市町のヨシ群落保全事業に対し毎年、補助金を支出してきた県は今冬から、同一場所での保全事業への補助は、2年以上の間隔をあけて実施することにした。県自然環境保全課は「水辺のヨシを毎年刈れば、群落に生息する魚や鳥の生態に悪影響を与える」としており、ヨシの過度の刈り取りなどを抑制する狙いだ。
 

 県はヨシ群落保全条例に基づき、1993年度から、地域住民にヨシ刈りなどを委託した市町に毎年、費用の半額を補助しており、大津市や近江八幡市など4市2町に700-400万円を支援してきた。
 しかし、県水産試験場(彦根市)の調査などから、水辺のヨシを過度に刈り取ると、春先の水位上昇で切り口が水没し、生育を遅らせることが判明。また、ヨシが少なくなると湖水の滞留時間が短くなり、魚類の産卵期の4-5月に餌のプランクトンが減少するなど、生態に影響を及ぼすことが分かった。
 このため、県は同一場所の刈り取りを3年に1度程度に抑制しようと、補助制度を見直した。
 これを受けて、高島市では針江地区約3ヘクタールのヨシ群落を3分割し、3年に分けて地元住民に刈り取りなどを委託する。昨年12月に守山市の木浜内湖周辺で刈り取った木浜自治会は、来年度から2年間休むという。
 県琵琶湖・環境科学研究センターの西野麻知子総括研究員は「過度の刈り取りは在来魚の減少に追い打ちをかける恐れもある。野生生物も含めた生態系の保全を考えれば、頻繁には刈らない方がいい」と話している。
(京都新聞)

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Posted by DODGE at 2006年01月13日 10:21 in 自然環境関連

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