2006年01月11日

彦根の野田沼でジャンボタニシ 農作物被害、植物に影響懸念

 滋賀県彦根市甘呂町の琵琶湖の内湖・野田沼で、スクミリンゴガイ(通称ジャンボタニシ)の卵塊が多数見つかっていたことが、10日までに分かった。ジャンボタニシの定着が内湖で確認されたのは初めてで、県内では野洲市の家棟川流域に次いで2カ所目となる。専門家は「知らぬ間に分布が広がっている可能性があり、農作物への被害や水生植物への影響が心配される」と話している。

 ジャンボタニシは南米原産のマキガイで、国内では1980年代初めに食用として導入された。貪欲(どんよく)な食性のため、西日本を中心にイネやレンコンなど農作物への食害が相次いでおり、農林水産省は84年、輸入を禁止する植物防疫法の有害動物に指定した。県内では、86年に野洲市の養殖場から近くの家棟川に侵入し、定着した。
 昨年10月の自然観察会で、市民グループ「琵琶湖博物館うおの会」や滋賀県立大の学生が、野田沼東岸で水生植物のヨシやマコモに付着したピンクの卵塊を発見した。多賀町立博物館の金尾滋史学芸員が調査したところ、45個の卵塊を確認し、殻高約5センチほどの成貝2匹を捕獲した。
 野田沼は貴重植物オオマルバノホロシ(ナス科)の生息地で、ゲンゴロウブナやアユの産卵場所にもなっている。
 ジャンボタニシの雌は1年に複数回産卵し、卵塊1個で200−400匹を産むとされる。金尾学芸員は「野田沼を拠点に繁殖し、水田や琵琶湖に侵入して農作物や水生植物に影響を与える危険性がある。すぐに分布状況を調べ、駆除する必要がある」としている。(京都新聞)

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Posted by jun at 2006年01月11日 19:03 in 魚&水棲生物

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