1970年代に始まった深海トロール漁の影響で、深海魚の数が急速に減少し、絶滅の危機にひんしていることが、カナダのグループの研究でわかった。
保護区の設定など早急な対策が必要と訴えている。5日付の英科学誌ネイチャーに発表する。
深海魚は、60年近く生きて、体長1メートルに達するものも多い。成長や性成熟が遅く、繁殖能力も低いため、漁獲で数が減ると、回復するのが難しいと考えられていたが、科学的な研究は少なかった。
研究グループは、カラスガレイやメヌケを狙った漁などで、漁獲されるホカケダラやマクロウルス、クロソコギスなど5種の深海魚について、1978年から94年まで北西大西洋で実施された試験操業のデータを分析。17年間で5種の深海魚が87-98%も減少していることがわかった。
国際自然保護連合(IUCN)の基準で、ごく近い将来絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧(きぐ)1A類に相当、このまま漁が続けられると生息数の99%以上が失われると推定している。
(読売新聞)