2005年11月24日

外来種6割 最多はブルーギル 武雄市「保養村」のため池

 【佐賀】 武雄市「保養村」のため池「池の内湖」で、市民グループが実施した外来魚の駆除作戦で捕獲した魚を分析した結果、外来魚が六割を超え、なかでも最大の優占種はブラックバスではなく、ブルーギルだったことが分かった。バスは体長二十センチ以上の成魚ばかりで、それ以下はいなかった。専門家は「バスのえさとして誰かが勝手に放流したブルーギルが大繁殖し、在来魚やバスの卵、稚魚も捕食している可能性が強い」とみている。

 駆除は武雄市などの市民、団体、専門家で組織する「さが水環境フェア実行委員会」(委員長・半田駿佐賀大教授)が今月十二日に開催した。

 池の内湖は周囲約二キロ。市内最大のため池で、釣りファンにはブラックバスとヘラブナの釣り場として知られる。駆除は、池の水を抜く「池干し」に合わせて実施。体長二十センチ以上の魚は主に地引き網で、それ以下の魚は投網を使い捕獲した。

 網の目が大きい地引き網から逃れた魚が流失したため、全体の正確な捕獲数は出ていないが、地引き網と投網のサンプル調査で生息する淡水魚の種類を分析した。

 担当した県立宇宙科学館の中原正登企画主任によると、確認されたのはコイ、オイカワなどの在来種を含む十三種類。七年前の調査で捕獲されたワカサギ、ウナギが消え、前回はいなかったブルーギルが全体の52%を占め最多。次いでハゼ科のトウヨシノボリ20%、ヘラブナ12%、ブラックバス11%。ギンブナ4%、オイカワは1%未満。

 在来魚を駆逐するブルーギルとバスを合わせると全体の六割を超えた。中原さんは「流れのないため池はブルーギルが最も好む環境。小型の在来魚はバスに捕食され、最後にはブルーギルに食い尽くされるようになる」と、安易に外来魚を放流すると生態系を壊してしまうと指摘している。(西日本新聞)

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Posted by jun at 2005年11月24日 15:07 in 自然環境関連

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