2005年11月14日

不正受給:県内水面漁連、補助金86万円 全役員が引責辞任/秋田

 県内水面漁業協同組合連合会(県内水面漁連、24漁協加盟、大野忠右エ門会長、組合員約9500人)が、アユ釣りの振興など「内水面域振興活動推進事業」に対する02、03年度の国の補助金約86万円を不正に受給していたことが11日、分かった。県内水面漁連は毎日新聞の取材に対して事実を認め、国から受け取った補助金100万円のうち、不正受給分の86万3178万円を10月末に返還し、全役員が引責辞任していたことを明らかにした。【佐藤正伸】

 ◇旅費を水増し請求?n 関係者によると、不明朗な会計処理が行われたのは02、03年度。同漁連は、加盟する横手川漁協の前身の旭東漁協などから提出させた偽の領収書を使って、アユの放流事業にかかわる担当者の旅費や河川浄化などの事業が適正に行われたように装い、全国内水面漁業協同組合連合会(全内水面漁連)に報告し、補助金を不正に申請していた。
 県内水面漁連は申請に基づき、2カ年にわたって国から50万円ずつ補助金を受け取ったが、約86万円は実態を伴わない不正受給だった。アユの放流は計画通り行ったものの、担当者の旅費を水増し請求するなどしていた。当時は横手川漁協組合長が県内水面漁連会長を務めていた。
 この問題は04年6月、秋田市で開催された県内水面漁連通常総会で県南の漁協役員が指摘し、明るみに出た。同役員は「03年度事業報告書や貸借対照表を見て、国補助金の処理がおかしいと気付いた」と話す。
 同役員は02年度分も独自に調査し、02〜03年度の不適正な会計処理を確認した。その上で、全内水面漁連を管轄する水産庁に内部告発。会計検査院、県水産漁港課の立ち入り調査などを経て返還額(不正受給相当分)が確定した。
 ◇元会長らの刑事告発も?n 県内水面漁連は全役員が共同責任を取る形で05年1月までに辞任し、体制を一新。引責辞任した理事9人、監事3人の計12人が04年度役員手当を自主的に寄付するなどして返還額を工面し、全内水面漁連を通じて国に10月28日付で全額返納した。
 国の補助金は「国民の税金」や「国の借金」が原資。国産牛乳の需要拡大を図る事業の実績報告書を偽り、今年9月、農林水産省などの補助金約98万円を不正に受け取ったとして返還したJA秋田ふるさと(横手市)と同様、道義的責任が問われるほか、補助金の使途について定めた「補助金適正化法」に反する違法行為となる。漁協関係者は、元会長らの刑事告発も視野に真相解明を目指している。11月12日朝刊(毎日新聞)

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Posted by jun at 2005年11月14日 09:04 in 内水面行政関連

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