2005年11月04日

アライグマ:農業被害が過去最高、04年度は3800万円−−生息域も拡大 /北海道

 野生化したアライグマの生息地域が今年度新たに滝川市など5市町で見つかり、道内の過半数の120市町村に拡大し、農林業被害も04年度過去最高の3800万円に上ることが1日、分かった。1日開かれた道議会環境生活委員会で自民党の棚田繁雄氏(空知管内)の質問に道側が答えた。

 道環境生活部によると、野生アライグマは89年に恵庭市で初めて確認された。以降、生息地域は調査ごとに拡大。今年度は、滝川市、歌志内市、稚内市、空知管内浦臼町、檜山管内上ノ国町で見つかり、今年9月までに累計で120市町村と全道的に広がっている。生息数は2000-4000頭と推定されるが、詳細は不明という。アライグマは北米原産で、ペットとして輸入されたものが野生化した。
 農業被害は04年度3800万円で前年度より350万円増。スイートコーン、メロン、イチゴの順で被害額が多く、手先が器用なため、イチゴなどをもぎ取って食べるという。地域別では、胆振(1500万円)、石狩(1200万円)が多い。
 被害額は、エゾシカ(27億9000万円)、カラス類(1億7800万円)などに次いで5番目。外来種が野生化したため、生態系への影響も出ており、97年に野幌森林公園でアオサギの集団営巣地が消滅した。釧路湿原の近くでも生息が確認されており、タンチョウなど希少鳥類への影響も懸念されている。
 道は「アライグマ対策行動計画」を定めるなど捕獲に力を入れ、04年度は1385頭を捕獲し、薬剤で安楽死処分した。今年度は石狩、空知、胆振管内の20市町村を「緊急捕獲地域」に指定、4〜6月の3カ月で560頭を捕獲。だが、生息数の増加は止まらないという。
 今後は被害が多発する地域の市町村や農協に対し、捕獲用わなの効率的設置を呼びかけるなど連携して取り組みを強化する。【丸山博】

(毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-北海道-毎日新聞

Posted by DODGE at 2005年11月04日 11:06 in 自然環境関連

mark-aa.jpg