2005年10月11日

天神の里:友部町の休耕田にビオトープ 地域の自然保護、町民自らの手で /茨城

 友部町南友部田那場地区の休耕田で、豊かな自然を取り戻すための取り組み「ビオトープ」造りが進められている。宅地開発が進み、野生の生き物たちのすみかが奪われていく中で、地域の自然を守るため町民自ら行動する点が特徴だ。

 ビオトープとは、「野生の生き物の空間」を意味するドイツ語の造語。特定の種類の木を増やす「緑化」とは違い、池、水辺の草などを総合的に整備し、人間の生活空間に野生動物の休憩地を造る。鳥や昆虫といった野生の生き物がすみやすい環境を「生態系」ごと守る、という考えだ。
 同町では、03年に「友部町環境基本計画」を策定。同町生活環境課が、メダカ、クチボソ、ゲンジボタルなど30年前に友部に数多くいた生き物を呼び戻そうと、ビオトープに注目した。
 「天神の里」と名づけられたビオトープは昨年5月から整備事業が始まり、応募のあった町民93人をメンバーとして登録した。選ばれたのは南友部の休耕田約1100平方メートルで、当初はハンノキやヨシが生い茂り、不法投棄された冷蔵庫などもあった。メンバーの小学生や地元の区長らは、日曜日を利用して集まり、草を刈り、道を開き、直径約10メートルの池を作るなどしてきた。立て看板や丸太の木道も手作りだ。
 現在、「天神の里」では、クチボソやメダカが池を泳ぎ、水辺にはモウセンゴケ、ミゾソバなどが生える。授業で見学に訪れる小学校もあるという。
 同課の橋本正男課長補佐(50)は、「2、3年で終わりではない。規模を広げて、生物が暮らしやすい里山にしたい」と語る。問い合わせは、生活環境課(電話0296・77・1101)へ。【清野崇宏】

(毎日新聞)

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Posted by DODGE at 2005年10月11日 19:06 in 自然環境関連

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