2005年07月15日

特定外来生物:堀のブラックバス、コイの卵食べるなど被害−−甲府の武田神社/山梨

 ◇外来生物法の駆除対象だが、敷地内は殺生禁止
 ◇県も予算なく動き鈍い、頭悩ます神社側
 武田神社(甲府市)が、堀に無断で放流されたブラックバスの駆除に苦慮している。敷地内での殺生は禁じているため、職員が釣りをして神社自らが積極的に駆除するわけにはいかないという。6月に施行された「特定外来生物被害防止法(外来生物法)」にはブラックバスなど特定外来生物の駆除が盛り込まれ、県などによる駆除に期待を寄せるが、駆除の義務はなく、予算面からも早期実施は難しい状況だ。【鷲頭彰子】

 同法は日本固有の生態系に大きな影響を及ぼす外来の生物や植物を“特定外来生物”に指定し、無許可の輸入や飼育、遺棄などを禁じた。同法には「特定外来生物の防除等の措置を講ずる」と明記されており、規制種を積極的に駆除するとしているが、補助金などの予算は自治体持ちで財政面から早期実施は難しいのが現状。
 同神社によると、十数年前から堀にブラックバスやブルーギルが無断で放流され、大きい魚で体長約40センチのブラックバスが生息するようになった。このため、同神社が堀に飼っているコイの卵が食べられるほか、バス釣りファンの「隠れ釣りスポット」(同神社)となり、釣り人の残した釣り糸でハクチョウが首をつって死ぬなどの被害が出ている。同神社の土橋俊彦・権禰宜(ねぎ)は「『敷地内で殺生をしてはいけない』という神社の決まりがあり、職員自ら駆除はしにくい」と話す。
 県はブラックバスの駆除に向け実態調査を行う方針だ。県水産技術センター(甲斐市)で完全駆除技術の研究を行っている途中だが、今のところはダイバーが潜って産卵床を壊すほか、釣りや網による捕獲など地道な対策しかない。在来品種の絶滅危機などがない限り、県として積極的に駆除に乗り出すことは難しいという。7月15日朝刊(毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-山梨-毎日新聞

Posted by jun at 2005年07月15日 16:55 in ブラックバス問題

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