2005年07月06日

「コイのまち郡山」に波紋 コイヘルペス感染拡大

 市町村では全国一のコイの産地・福島県郡山市が、コイヘルペスに揺れている。6月に市内の業者の養殖池と市立公園のため池、1日には浄水場貯水池のコイがコイヘルペスウイルス(KHV)に感染していたことが相次いで判明した。感染したコイを食べても人体に影響はないが、コイの引き合いが減り、養殖業者は風評被害に苦しんでいる。市はため池の全面的な改修を強いられており、コイをめぐる悩みは深刻だ。

 「売り上げは、夏前までの2-3割程度。これではやっていけない」。市内の養殖業者は突然の「KHVショック」を嘆く。

 この業者のコイは感染が確認されていないが、取引業者や消費者が購入を手控え始めている。業者は「安全だと強調すればするほど、逆に郡山のコイが感染した事実が広まる。そっとしてほしいというのが本音だ」と話す。

 市内では現在、9つの養殖業者が29のため池でコイを養殖している。うち一業者の4つの池のマゴイから6月、感染が確認され、福島県がコイの移動禁止や、計100トン以上のコイの焼却処分を命じた。

 コイの養殖は、全国生産量の約半分を占めていた茨城県・霞ケ浦が一昨年秋、KHVによる大量死で壊滅的な打撃を受けて以降、福島県が全国一の座にある。中でも郡山市の生産量は、04年度の県生産量1305トン中、約700トン(約54%)を占める。

 そんな「コイのまち」のシンボル・開成山公園のため池「五十鈴湖」(約3万平方メートル)のマゴイでも6月、KHV感染を確認。1日には、市水道局の豊田浄水場貯水池(約6万8000平方メートル)のマゴイが1次陽性反応を示した。

 KHVが確認されると、次々と感染する恐れがあるため、市が対応に追われている。

 市は五十鈴湖、貯水池とも、KHVが不活性化する冬期に水(計16万6000立方メートル)をすべて抜き、水底を天日干し殺菌をする方針。

 五十鈴湖で死んだコイは約400匹だが、「感染防止と水質改善のため、取水方法や規模(水量)などを見直さざるを得ない」(都市開発部)と、想定外の余波が広がっている。
(河北新報)

+Yahoo!ニュース-東北-河北新報

Posted by DODGE at 2005年07月06日 11:21 in KHV関連

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