2005年05月10日

琵琶湖:水上バイク、水質への影響は… 市民大学が予備調査開始−−大津 /滋賀

 ◇6地点で湖水採取 
 市民や研究者らが、継続的な調査とデータの公開で琵琶湖の現状を問い直そうと結成した研究グループ「琵琶湖市民大学」(学長、讃岐田訓・元神戸大教授)が8日、大津市沖合の琵琶湖で、水上バイクなどのプレジャーボートがもたらす水質への影響などの予備調査を開始した。9日も実施し、今年7、8月ごろに2回の本調査を行う予定。【服部正法】

 84年に市民や研究者によって結成された「琵琶湖淀川汚染総合調査団」を受ける形で、「20年目の琵琶湖調査団」(団長、石田紀郎・元京大大学院教授)が03年に結成され、琵琶湖の調査を実施。富栄養化をもたらす全窒素、全リンが南湖の底質では約20年で1.5倍程度になっていることなどを明らかにした。昨夏には連続環境講座「合宿琵琶湖市民大学」を開催、琵琶湖や環境問題にかかわってきた人たちを講師とし、延べ約300人の市民らが受講した。これらの活動を踏まえ、調査と講座の2部門を柱に、市民の目で琵琶湖を見つめていく「新市民大学」が今年3月に発足。今年の重点テーマとして、プレジャーボート(水上バイク)の影響調査の実施を決めた。
 水上バイクについては騒音問題のほか、排ガスからベンゼンやMTBEなどの有害化学物質が湖水に排出されることを問題視する声がある。琵琶湖では旧運輸省の調べ(99年)で、発がん性物質のベンゼンを環境基準の1.8倍検出した例がある。
 今回の調査では、水上バイクの走行が多く、近くに上水の取水口がある大津市柳が崎の沖合や岸付近などの6地点で、早朝、正午、夕方などの時間帯に、船上や陸地から湖水を採取。今後、ベンゼン、トルエンなどの揮発性有機化合物や全窒素などの項目で分析する。

(毎日新聞)

+Yahoo!ニュース-滋賀-毎日新聞

Posted by DODGE at 2005年05月10日 10:14 in 自然環境関連

mark-aa.jpg