2005年02月10日

BASSバスマスターツアー第2戦 初日から最終日までの経過

 2月3-6日の日程で開催されたBASS CITGOバスマスターツアー第2戦をもって、3年連続でフロリダ州ハリスチェーン・オブ・レイクスを舞台にトーナメントが開催された。ハリスチェーンとBASSの歴史は長く、これまでに数多くのドラマを生んでいる。BASSの史上最小優勝ウエイトが記録された場所であり、吉田幸二さんが日本人初のメガバックス大会出場を果たしたフィールドでもあるが、2003年度のツアー第1戦があまりにも無惨であったため、以後、悪いイメージがつきまとっている。しかし今年は、初日から往年のハリスチェーンを彷彿とさせるグッドウエイトが飛び出したのだった。

 2003年度バスマスターツアー第1戦(ハリスチェーン大会)は、悲惨としか言いようのない、ツアー史上最悪の成績が順位表を覆った。予選ラウンドをトップで抜けたスキート・リースの2日間の合計ウエイトは21Lb10oz。決勝に進出するトップ12名中12位のジェラルド・スインドルのウエイトは、たった14 Lb2ozだった。2日間と通して18名がノーフィッシュ、31名が1尾のみのウエイインとなり、4日間を通してリミットメイクに成功したの優勝したリースだけだった。2004年度ツアー第1戦(ハリスチェーン大会)開催前には、バッド・レピュテーション(悪い評判)で持ちきりだったのは言うまでもない。
 ところが、昨シーズン第1戦はそんな噂を吹き飛ばすビッグウエイトが続出。初日にはアルトン・ジョーンズが27Lbをウエイイン、2日めにはデイビッド・ワートンが26Lb7ozという度肝を抜くビッグストリンガーを持ち帰った。
 これでハリスチェーンは復活し、今季第2戦では昨年を思わせるウエイトが飛び出すと期待したいところだったが、FLW TOUR第1戦、バスマスターツアー第1戦がことごとくスモールウエイトで淡々と進んだように、ハリスチェーンにも暗い陰が忍び寄っていた。ハリケーンの影響、コールドフロントとネガティブな要素がアングラーを不安にさせていたのだ。
 
 しかし蓋を開けてみると、思った以上のグッドウエイトが初日から持ち込まれた。ハリスチェーンの湖畔に自宅を構える地元の英雄、ジム・ビッターが26Lb12oz をウエイイン。アーロン・マーテンスが26Lb3ozと続いた。
 FLW第1戦、バスマスター第1戦がそうだったように、今大会も濃霧により2時間半ほど遅れて大会はスタートした。そのため、4時間ほどしか競技時間がなかった者もいたという。
 またビッターが陣取ったのはイェール・キャナルだったのだが、ここにはガイ・エーカーやジョージ・コクラン、そしてバーニ・シュルツもパターンを持っていた。マーテンスが陣取ったエリアには、ラリー・ニクソンやステイシー・キングがいたという。清水盛三さんのレポートによると、彼もこのエリアでパターンを組んでいたと思われる。
  予選ラウンド最終日、初日に比べ風が強くなったため、気温も12℃前後に下がり、サイトフィッシングを得意とするアングラーにプレッシャーがかかった。この日のトップウエイトはアート・ファーガソンの22Lb9ozで、11Lb1ozのビッグフィッシュを含む4尾のみのウエイインでこのスコアをマークした。ちなみにこの11パウンダーは、彼の人生における最大魚となった。ファーガソンは初日の135位から110人抜きで25位に入ったが、予選通過には及ばなかった。
  前日トップのジム・ビッターがリミットメイクに成功し、13Lb9ozをウエイイン。トータル40Lb5ozで決勝へ一抜けを果たすと、この日20Lb6ozをウエイインしたジョージ・コクランが2位で決勝へ進出した。
 さて、大会2日めの注目は、ジム・ビッターの発言にある。彼がいたキャナルには大勢のアングラーが犇めき合っていて、自由に釣りができなかったと不満を漏らした。初日、遅めのスタートを切った彼は、一目散にイェール・キャナルに向かった。ここはマリーナから1時間ほどの距離にあり、フォグで競技時間が短縮されたのもあり、ビッターはその裏をかいてこのエリアに向かった。しかし到着すると、そこにはすでに数艇のボートが浮かんでいた。しかもオポネント(競争相手)はコクランをはじめ、トップ勢ばかりだったのだ。コクランのコメントによると1人が150ヤード(約136m)ほどのスポットを確保して釣る間隔だったという。ビッターはこの狭さに不満を持っていたわけだが、2日めにはさらにアングラーが詰め寄り「移動すると自分の場所が取られそうで、身動きが取れない状態だった。 初日をリードした選手がこのような状態に陥るのは問題だ」とビッターは漏らした。
 
 大会3日め(決勝初日)、前日に続き風の影響でウエイトが伸びず、15Lb12ozをウエイインしたトッド・フェアクロスが首位に躍り出た。彼は朝から終了時間直前まで、ほとんどワンエリアで通している。「朝一番にバイトがあって、しかもバラしてしまった。その後正午までバイトがなくて、移動しようかとよぎったが、『いや、このエリアを信じていこう』と決めたとたんバイトラッシュになった」と述べた。さらに彼は初日から彼が使用しているルアー(ゲーリー・ヤマモト社5in カットテールワーム)を明かしていた。
 また徐々に順位を上げてきていたのがフロリダ州ジャクソンビル出身のアングラー、ピーター・スリベロスだった。彼は得意技のキャロライナリグを封印して、スピナーベイトとパドルテールワームのキャスティングで攻略している。しかしこのパターンが功を奏するのかは、最終決戦へと持ち越された。
 そして大会4日め、ピーター・スリベロスがリミットメイクに満たない4尾で19Lb15ozというビッグウエイトを持ち込み、2位のジム・ビッターに1Lb11ozの差をつけて第2戦の頂点に立った。
 「メインパターンは、キャナルの中にいるバスをねらうことで、他のアングラーのボートが浮かんでいるちょうど真下あたりにステージングしているプリスポーンバスをターゲットにした」とスリベロスは語っている。またルアーセレクトについては、「スピナーベイトを流してバスがショートストライクしたと思ったら、そのスポットにパドルテールワームをキャストしてフォローを入れた。とにかくスローな釣りを心がけた」と他のアングラーがフリッピングとサイトフィッシングで攻略する中、スリベロスは異なるパターンを持っていたことを明かした(スピナーベイトはチーム・スプリーム・スピナーベイトで、ワームはズーム社のブラッシュホグとジェネリック・パドルテールを使用)。
 
 大会2日めにジム・ビッターが語っていた“他のボートとの距離感”について、詳しい内容がBassfan.comに掲載されている。ビッターは同じくフロリダ州出身で友人でもあったバーニー・シュルツとエリアをめぐって湖上で言い争いになり、それを知ったトーナメント・ディレクターのトリップ・ウェルドンが試合後に仲裁に入るという部分にまで発展。その後、シュルツとビッターは喧嘩別れになったという。興味のある人はbassfan.cmを参照に(記事は英文)。

Posted by DODGE at 2005年02月10日 20:51 in 海外トーナメント:BASS

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