嘉田由紀子知事が3日、県議会に提案した淀川水系河川整備計画案への知事意見議案。意見に含まれる大戸川ダム(大津市)凍結について賛否がきっ抗する議会は、この日の代表質問で論戦をスタートした。一方、ダム建設予定地の地元市議会などでは、ダム推進に向けた動きが高まっている。【服部正法、近藤希実、稲生陽】
滋賀では、条例で知事意見に県議会の議決を求めている。「前哨戦」ともいえる今年10月の議会では、同ダムなどの建設を「不適切」とした淀川水系流域委の意見を同計画案に反映するよう求める意見書案が▽民主・県民ネットワーク▽対話の会・びわこねっと▽共産――の賛成多数で可決。反対した▽自民・湖翔クラブ▽公明▽湖政会――との議員数にはほとんど差がなく、今後の議会の動向が注目される。
先月11日に公表した滋賀、京都、大阪、三重の4知事共同見解に沿ってまとめた知事意見議案では、国に対し、大戸川ダムの凍結を求めたほか、丹生ダム(余呉町)について、明らかになっていない計画や事業費などに関し、調査・検討の結果を速やかに提示することなどを要望。知事は「琵琶湖・淀川の水源地域の知事として現在と未来に対し責任ある判断を行った」と述べた。
代表質問では、自民の福本庄三郎議員が「4知事合意は県益を損なう」と批判し、「関係市町長の大半は(ダム)推進意見。市町長の意見をどう反映したのか」などと追及。知事は「市町長の願いは治水対策をしっかりやってほしいということ。命を守る治水対策をする点で市町長の思いと方向は同じ」と答えた。
一方、民主は江畑弥八郎議員が「大戸川ダムの建設の是非について、今回の(4知事)合意を了とする」と評価した。
また、甲賀市議会では同日、大戸川ダムの早期完成を要望する県や国宛ての意見書案を市議らが提案。賛成多数で可決された。
大津市の目片信市長は2日の市議会で、知事意見について「責任を持つ地元の市長として大変遺憾。地元住民の民意が反映されておらず、心痛む思いだ」と憤りを表した。同市議会も国と県に早期建設を求める意見書案を提出するかどうか9日に採決する。12月4日朝刊