国の天然記念物で亀岡市内の保津川水系に生息するアユモドキが激減していることが分かった。同市は外来魚から稚魚を守るなどの緊急対策を研究する会を設け、来年2月に素案をまとめる。2日開会の市議会12月定例会に関係議案を提出した。地元自治会や農業団体、NPO法人などの協力を得て緊急対策を実行する団体を発足させ、来年6月の産卵期に備える方針だ。【大西康裕】
◇市が緊急対策を研究へ
京都大大学院の岩田明久准教授(水産学)らの9月の調査で、今年生まれが一匹も見つからず、体長約9センチ以下で昨年生まれとみられる個体も見つからなかった。今年6月には生まれたばかりの稚魚が確認されており、その後消えた多くはブラックバスなど外来魚に食べられたとみられるという。全体の生息数も昨年の4分の1の200匹あまりに激減したと推測されている。
岩田准教授は「アユモドキの生息地に大きく成長したバスはいなかった。だから、被害は小型の個体でとどまったが、たまたまだ」と危機感を募らせる。近くの池では40センチ級のバスも見つかっている。これまでもNPOと協力するなどして外来魚の駆除をしてきた同市は「今年は世代交代ができなかった。アユモドキの寿命は3〜4年。絶滅につながる」と、緊急に淡水魚や河川工学の専門家など5人がメンバーの研究会の設置を決めた。安全な産卵場所の確保などが話し合われる。
市は、06年に発足した地元自治会や農業団体、NPO、府、市など保護活動に取り組む団体の連絡・調整機関「保津地域アユモドキ連絡協議会」を「亀岡市保津地域アユモドキ保全協議会」(仮称)に改組し、研究会が打ち出す緊急対策の実行団体とする案を今月明らかにしている。
◇文化資料館で特別展
亀岡市文化資料館(同市古世町中内坪)では7日まで、特別展「国の天然記念物アユモドキと保津川水系のサカナたち」を開催している。
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◇アユモドキ
アユに似ているがドジョウの仲間で口にヒゲがある。琵琶湖を含む淀川水系と岡山県の一部の河川でしか見られないとされるが、近年の淀川水系では亀岡市周辺でしか確認されていない。国内希少野生動植物にも指定されている。
Posted by jun at 2008年12月04日 10:37 in ブラックバス問題, 外来生物問題, 魚&水棲生物