2008年12月02日

【若手学芸員のななころびやお記】外来魚 日本の魚に悪影響

 ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)やヤマメ、アユの一部は、よそから県内に持ち込まれた外来魚です。そんなこと急に言われても、ピンと来ない人も多いと思います。ではニジマス、タイワンドジョウ、ソウギョはいかがでしょう。オオクチバス(ブラックバス)、ブルーギル、アリゲーターガーは? さすがに日本の魚っぽくない名前なら外来魚だと分かりやすいですね。

 県内の川や池には、先ほど挙げた魚はもちろん、もっと多くの外来魚がいます。「まさか」「アユやヤマメは日本の魚では?」と思う人もいるでしょう。外来魚とは、海の向こうの外国から持ち込まれた魚だけを指すわけではありません。国内でも本来生息していない地域へ移動させられた魚、あるいは同じ種類でも遠く離れていて遺伝的に交雑する(子孫を残す)可能性が低い地域の魚を持ってきてしまうと、その魚は外来魚、あるいは移入魚と呼ばれます。

 外来魚は、オオクチバス(ブラックバス)の騒動でご存じのとおり、もともと国内にいる魚を食べたり、すみかを奪ったりしてしまうので日本の魚たちに悪影響を与えるとされています。その一方で、アユやニジマスのように漁業対象として人間に利用されている魚もいます。

 外来魚が県内の水域に侵入し増殖していく一方、激減している魚もいます。例えばニッポンバラタナゴやアブラボテ、イチモンジタナゴのようなタナゴの仲間は、近縁種である外国産のタイリクバラタナゴの侵入と交雑、捕食者となるオオクチバスやブルーギルの増殖によって、生息数が減っていると考えられます。中には、県内でほとんど見られなくなってしまった種類もあります。

 もともと平野部が少ない県内では、昔からすんでいた淡水魚たちは限られた水域で密集生活していたものと思われます。その限られた水域に圧倒的な繁殖力と捕食能力を持った外来魚が放されたなら、簡単に淡水魚の顔ぶれは外来魚に置き換わってしまうでしょう。毎年のように県内で新たな外来魚が見つかるたび、心配になっています。(県立自然博物館学芸員平嶋健太郎=ひらしま・けんたろう)

+Yahoo!ニュース-和歌山-産経新聞

Posted by jun at 2008年12月02日 08:40 in ブラックバス問題, 外来生物問題, 自然環境関連

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