2008年11月29日

最後に「中止」強く決断 大戸川ダムの知事協議、舞台裏

 大戸川ダム(大津市)中止を打ち出した京都、滋賀、大阪の3府県知事の合意に至る水面下の交渉の概要が28日、京都新聞社が入手した文書で分かった。治水代替策や補償事業の負担をめぐる利害対立や、協議の最終段階で「中止」を強く示すことを決断した経緯が明らかになった。

 文書は3府県による8月の琵琶湖の船上での会談から、三重を含めた4府県合意を発表した今月11日まで計4回の会議録と資料。
 発端となった湖上会談では3府県知事が「大戸川ダムについて3府県で提案してはどうか」「地方で考え、地方で意見を出したい」などと意気投合した。
 焦点の治水の上下流対立については、滋賀県がダムなしの代替案を模索。天ケ瀬ダム(宇治市)など既存施設の活用を提言した京都府の技術検討会の報告を独自に検証し、大戸川ダムがなくても淀川や宇治川の安全は確保されると、10月には結論づけた。
 交渉の山場は、今月8日に京都市内で行われた3府県知事の会談での合意文書の取りまとめ。京都、滋賀の河川改修に対し、大阪は「淀川の治水安全レベルに影響を与えないよう考慮しつつ」との表現を盛り込むことを求め、下流への負担増をけん制した。
 この間の議論では、ダム中止に伴う予定地の道路整備など生活再建事業の継続も話し合われた。3府県で「助け合い基金」を設置し、ダム中止で法的根拠がなくなる京都、大阪の支払いの枠組みを維持する方向を模索していたが、終盤に費用負担をめぐり駆け引きが激化。滋賀が「滋賀の犠牲を考慮し応分の負担を」との文言を求めたが、「責任を果たしていく用意がある」とトーンを弱めた表現に変わった。
 ただ、これらの難しい調整を乗り切ったのは、ダム問題を契機に地方主導をアピールしたい3知事の共通した思いだった。ダム中止を求める表現も、「現段階で計画に位置づける必要はないと考える」という文言から、「現段階で」「考える」を削除し、ダム中止への強い決意を3府県がそろって示すことでまとまった。

+Yahoo!ニュース-滋賀-京都新聞

Posted by jun at 2008年11月29日 14:14 in 内水面行政関連

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