外来種の鳥、ガビチョウが東北地方で生息域を拡大している。1995年、東北で初めて福島県川俣町で確認されて以来、同県内の阿武隈山地を中心に分布を広げ、県境を越えて宮城県内を北上中だ。専門家らは「生態系への影響は否定できない」と危惧(きぐ)している。
ガビチョウの原産地は中国南部や台湾、インドシナ半島などの温暖で湿潤な地域。国内には鳴き声が美しいとして江戸時代に移入された記録もある。西日本を中心に急激に増え始めたのは80年代前半。飼育個体の「かご抜け」などで野生化したとみられる。
仙台市でも3、4年前から南西部の丘陵地周辺で目撃が相次ぎ、「既に越冬している個体もある」(市太白山自然観察センター)という。
本来、暖地性のガビチョウは、東北のような積雪地では繁殖できないとされてきた。
増加の理由を、日本野鳥の会サンクチュアリ室の鈴木弘之さん(43)=福島市小鳥の森チーフレンジャー=は「複合的な要因が考えられるが、温暖化に伴う気候変動や、やぶ化した里山などの環境変化が大きい」と指摘する。
近年の少雪傾向が北上を許し、人手の入らなくなった荒れた山林がやぶを好む生態に適しているのだという。
ガビチョウの体内から在来の野鳥にはない寄生虫が検出されたとの専門家の報告もある。
生息環境が競合する在来種など生態系への影響については、本格的に調査研究されていないのが現状。鈴木さんは「専門家から成る研究チームをつくり、中期的なモニタリングが必要だ」と提言する。
[ガビチョウ] チメドリ科。体長約22センチ。全身が茶褐色で目の周囲の長く白い線が特徴。大きな声で鳴く。雑食性。ブラックバスなど日本生態学会が定めた「侵略的外来種ワースト100」の一種。東北での生息数は未確認。名前の由来は中国名の画眉。
Posted by jun at 2008年09月05日 12:44 in 外来生物問題