2008年09月06日

外来種:大型カブト・クワガタ、野外に放さないで 地域の生態に悪影響/山口

 ◇子どもに人気の大型カブト・クワガタ「責任持って飼育を」
 子どもたちが大好きなカブトムシやクワガタムシ。最近は外国産の大型種が数多く輸入されているが、野外に放すと地域の生態に影響を与える可能性があるという。特に県西部は太古の昔、朝鮮半島から渡ったヒラタクワガタも生息する珍しい地域。秋めいてきたきょうこのごろ、虫たちの環境について考えてみた。【安部拓輝】

 光市束荷の社会福祉法人、大和あけぼの園の高橋健一園長は15年前から、地主らの協力を得て採集したクワガタなどの体長や特徴の定点観測を続けている。採集データは1万5000個体に及ぶ。高橋さんによると、県内のヒラタクワガタは、一般的な「ホンドヒラタ」に加え、本州が大陸と陸続きだった時代に朝鮮半島経由で渡ってきた「ツシマヒラタ」が生息する。あごが全長の3分の1程度と長いのが特徴だ。
 しかし、こうしたヒラタクワガタにも脅威なのが、カードゲームなどを機に人気が高まった「スマトラオオヒラタ」などの外来種。力も強く、同系種なので交雑の可能性がある。独立行政法人国立環境研究所(茨城県つくば市)が01〜03年に実施した全国調査では、長崎県などで交雑種を確認した。環境省は「要注意外来生物」として放虫しないよう促している。
 カブトムシやクワガタの輸入は99年の植物防疫法の緩和を契機に増えた。大半は希少生物の取引を規制するワシントン条約の対象外。輸入量が多く規制が利かない。値段も下がり、比較的購入しやすくなった。同研究所の五箇公一主席研究員は「クワガタ飼育は日本独特の文化。買った人も身近な里山の環境を考えて飼ってほしい」と話す。
 萩博物館では8月末日まで開催した企画展で、子どもたちに外来種を放さないよう呼び掛けた。昆虫担当の椋木博昭専門員は「飼育に飽きたら『自然に帰そう』というのが一番困る。外国の昆虫も人間に連れてこられて生きるのに必死。死んだら標本にするのも一つの方法で、最後まで責任を持ってほしい」と話している。〔山口東版〕9月5日朝刊

+Yahoo!ニュース-山口-毎日新聞

Posted by jun at 2008年09月06日 13:13 in 外来生物問題

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