【岐阜県】外来生物「ジャンボタニシ」による稲の食害に悩む安八町が今春、住民が捕獲したタニシを買い上げる助成制度を始めた。全国的にも珍しい試みだが、捕獲量は5リットル入りバケツで1300杯分を突破。一部の地域では、農業用水路に金網を張る防除対策も行われ、農家からは「今年はほとんど被害がない」との声も聞かれる。繁殖力の強さから「根絶不能」ともいわれるタニシと、人間の戦いを追った。
ジャンボタニシの被害は、5年ほど前に出始めた。昨夏には、タニシが水路などを通じて町全体に広がり、被害が拡大。西濃農業共済組合(安八町)によると、昨年1年間で被害に遭った田は約4・2ヘクタールで、うち約1・1ヘクタールは収量が3割以下に激減。農業被害を補償する共済金の支払い対象になった。
助成制度は、タニシの活動期の初夏から秋にかけて、市内各地区で捕獲したタニシの総量を町に申請すると、地区単位で助成金が出る仕組み。金額はバケツ1杯(5リットル)で300円。回収したタニシは町が処分する。
8月4日現在、安八町24区中、19区が駆除を行った結果、計43回で6930リットル分のタニシが捕獲された。
ジャンボタニシ研究の第一人者で、九州沖縄農業研究センターの和田節上席研究員(59)は「手取りでどれだけ効果があるかは不明だが、駆除に助成金が出るのは珍しい」と驚く。タニシの被害が多い九州では、田植え直後に水深を浅くしてタニシの動きを抑え、それでも被害が多い時は農薬を使う防除策が確立されている。
しかし、安八町では、田の水を地域で一括管理する方式が採られており、個人で水位を調整するのは難しい。また、田に引き入れる水と排水が一つの水路で兼用されているため、タニシが田に侵入しやすいという問題点もある。そのため、昨年、被害が大きかった地域では、越冬したタニシを田植え前に駆除した上で、水路の取水口に金網を張って侵入を防いだり、農薬を使ったりしている。
同町でジャンボタニシの調査・防除指導を行う農業普及員の鈴木隆志さん(47)は「タニシの根絶は不可能なので、うまく付き合って、稲への被害を最小にしていきたい」と話している。(小椋由紀子)
Posted by jun at 2008年08月20日 08:44 in 外来生物問題