絶滅の危機にひんしている国の天然記念物、イタセンパラ(タナゴ科)を淀川に復活させようと、国土交通省淀川河川事務所は3日、復元整備を進めている楠葉(くずは)ワンド(大阪府枚方市)にタナゴ類の産卵母貝となるイシガイなどの二枚貝を移植し、二枚貝の育ちやすい環境を探る実験を近く実施すると発表した。
かつての淀川には上流の放水の後、沿岸に本川と切り離された水のたまり(ワンド)が多数でき、タナゴ類やコイ、フナなど在来種の宝庫だった。
しかし近年は肉食外来魚の増加や密漁も発生。生息地として知られる城北ワンド(大阪市旭区)も、水面を覆って日光を遮ってしまう外来浮き草・ウオーターレタスなどの影響で、平成18年度から3年連続で稚魚が確認されていない。
一方、楠葉ワンドは本川の水が流れ込みやすいよう本川との仕切りを低くするなど、かつての姿に近い形で平成13年から復元工事を実施。さらに“在来魚の楽園”となるよう、タナゴ類が卵を産みつける二枚貝の定着を計画した。
二枚貝はワンド内に土嚢(どのう)で囲みを作るなどして4カ所に計120個を投入。各個体にマークを付けて識別できるようにし、貝がどの程度育ち、稚魚が来春生まれるか−などを調べる。
淀川では現在、51個あるワンドを今後10年間で90個にまで増やすワンド倍増を計画中。同河川事務所では「二枚貝やタナゴ類が育ちやすい水質や底質などの生息環境を楠葉ワンドで調べ、今後のワンド整備に生かしたい」としている。