◇14支流に横断工作物
相模川と中津川に流入する17支流の魚道環境調査で、14支流の合流部に堰(せき)や落差工などの横断工作物が設置され、8支流では魚道が整備されていないことが分かった。工作物があるために上流の魚種数が下流よりも少なく、生物の連続性が失われていることも判明した。
官民でつくる「桂川・相模川流域協議会」のメンバーで、相模川水系の生態系保全に取り組む「相模川キャンプイン・シンポジウム」代表の岡田一慶さん(58)らが昨年、相模川中流域に流れ込む12支流と中津川に注ぐ5支流を調べた。支流の実態調査は初めて。
その結果、相模原市城山町の串川や厚木市の小鮎川、玉川、海老名市の鳩川など14支流に落差のある工作物が設置されていた。魚道が整備され、実際に機能しているのは厚木市の中津川だけだった。
また、河道がコンクリートで直線化され、瀬とふちが消滅して単調な平瀬になっている支流が目立った。多様な生態系を支える水辺や水際の植生が著しく衰退し、魚類や底生生物の生育が困難な現状にあることも分かった。
支流は魚類の産卵や生育場所となり、川の生態系保全に重要な場所。調査報告書(A4判、34ページ)には、17支流河口部にある工作物の写真を載せ、各支流の現状と魚類の生息状況をまとめた評価や詳細なデータをグラフや図で掲載した。
報告書は「川には独自の種や生態系の多様性がある。可能な限りコンクリート護岸を廃止して水際植生を復活させ、ふちや瀬を創出して川本来の姿を再生することが可能だ。支流ごとに魚道設置など多自然川づくりの対策を望む」と提言している。問い合わせ先は岡田さん(042・757・3262)。【高橋和夫、写真も】 7月8日朝刊