琵琶湖湖底の低酸素化と地球温暖化のかかわりについて、滋賀県と環境省などは本年度、初めての本格調査を始める。現在は明確になっていない低酸素化と温暖化との因果関係や、温暖化が進行した50年後の水質や生態系の変化など、総合的な解明を目指す。
調査は、昨秋に過去最低水準の酸素濃度を記録した琵琶湖・北湖の水深90−100メートルの最深部を対象に行う。
このうち、湖全体での低酸素化と温暖化の関係については環境省の研究費で共同研究を行う。水深の異なる場所で水の流速や酸素を測り、酸素を含んだ表層の水と湖底とが対流する「全循環」を調べるほか、プランクトンの酸素消費を分析。広範囲の情報をモデル化し、50年後に水質や生態系がどう変化するのかを予測する。
また、湖底の土壌などの詳細なメカニズム分析は文科省の科学研究費を活用する。湖底から数メートルの高さに観測範囲を絞り、湖底に観測機器を設置。土壌の表層の酸素濃度や水の混ざり具合を秒単位で解析する。県も湖底で行っている現行の酸素濃度観測に加え、湖底の無脊椎(せきつい)生物がどの程度低い酸素で生存可能かを調べる。
環境省の共同研究には東京大海洋研究所や京都大生態学研究センター、県琵琶湖環境科学研究センター、県立大など6機関が参加。文科省の研究は県琵環センターが担う。
共同研究などに参加する熊谷道夫環境情報統括員は「気温上昇が琵琶湖にどう影響を与えているのか分かれば、イサザの大量死など湖の異常の原因が整理でき、対策に向けた議論ができるようになる」と話している。
琵琶湖・北湖の低酸素化現象は、温暖化による暖冬の影響が指摘されている。