銚子沖などで取れるカタクチイワシの量が激減している。農林水産省千葉農政事務所によると、07年の県漁業漁獲量は前年比24%減の8万7105トン。カタクチイワシはカツオの餌で、このまま減少が続けば、カツオの漁獲量にも影響が出る恐れもあるという。【神足俊輔】
県水産課によると、県内のカタクチイワシ漁獲量は02年に10万トンを超え、以来県の漁獲量の半分以上を占めている。そのため「県全体の漁獲量の全国順位は、カタクチイワシ次第」(同課)という。
独立行政法人「水産総合研究センター 中央水産研究所」(横浜市金沢区)によると、カタクチイワシの生態については研究が進んでおらず、減少の原因も特定できていない。推測されるのは、海水温や餌となるプランクトンの発生量ではないかという。銚子沖では12〜3月にかけ、大型の魚群が来る年は、漁獲量も多くなるが、今シーズンはそうした兆候も見えない。
カタクチイワシ減少による食卓への影響は、現段階では少ない。県内で魚介類の小売店4店舗を展開する「カネカ水産」(本部・千葉市花見川区)によると、カタクチイワシは仕入れ値が1キロ200〜300円で、ここ1年間変動はない。同社は「カタクチイワシの需要が下がっており、漁獲量が減っても価格が上がることはない」という。
一方、カタクチイワシの減少が、生態系に与える影響を懸念する声もある。同研究所生態特性研究室の久保田洋主任研究員は「カタクチイワシを餌とするカツオや鯨が少なくなる可能性もある」と指摘。県水産課は「因果関係が分からないので、何とも言いようがない」と困惑している。 5月13日朝刊