2008年04月08日

支局の目:八郎湖再生へ/秋田

 「子供のころの生活や遊びの場が汚れているのは耐えられない。あのころの川や湖に戻したい」
 先日取材した「八郎湖再生の集い」では、参加した人たちから湖や川などの地域環境への熱い思いが伝わってきた。

 八郎湖は排水流入やアオコの大量発生などで水質が悪化。昨年末に国の指定湖沼となり、国の支援のもとで水質改善に取り組むことが決まった。06年度の全国公共用水域の調査で、八郎湖の水質は全国ワースト3位。湖岸に住む参加者は「冬のワカサギも、湖が凍るまではにおいがきつい。元気な魚はブラックバスくらい」と話す。
 県は地域ごとの汚濁対策や農業に影響ない程度の海水流入などの対策を打ち出している。だが行政の力だけで水質改善は図れない。
 講演でも市民の運動の必要性が説かれ、暮らしと八郎湖をテーマにした分科会では「河川や湖沼は流域の人々の暮らしを映し出す」との問題提起があった。参加者も油や洗剤の上手な使い方など、水資源を守るための家庭での取り組みを語り合った。普段は風呂のお湯を洗濯に使う程度の私には思いつかない工夫もあった。
 このような議論や知恵は、ぜひ八郎湖周辺だけでなく県全体に広め、より多くの人が水や環境のために行動するきっかけになってほしい。
 日々の工夫は確かに簡単ではない。しかし集いに参加した人たちのように「実家のそばの川にフナが戻るように」「子供が親しめる湖を」といった身近な動機があれば、地域ぐるみで多くの人が運動に参加しやすくなる。
 みんなが少しの工夫を重ねれば、県が水質改善のめどとする20年後、八郎湖はよみがえり、県内の水域も変わらぬ姿を見せてくれるはずだ。
 官と民の初顔合わせとなった今回の集いだが、次の開催は未定という。水資源の再生・維持に向き合うために、地域の人たちが意見交換できる機会がもっと必要ではないか。【野原寛史】 4月6日朝刊

+Yahoo!ニュース-秋田-毎日新聞

Posted by jun at 2008年04月08日 12:38 in 外来生物問題, 各種イベント, 自然環境関連

mark-aa.jpg